ジョン・ライオンズ氏がUNIXバージョン6のソースコードにコメントを付与し、さらにそのコードの動作に関する解説を記した書籍。
ライオンズ氏が本書の元となる文献を執筆したのは1970年代半ば。当時UNIXのソースコードは自由に閲覧できるものではなかったのだが、この文献は関係者の手によりコピーされて出回り、世界中で読まれてきた。その文献が執筆から20年余り経った1990年代後半になって、ようやく公に書籍化された。
コンテンツはソースコードと解説の2部に分かれている。ソースコードはインデックスや行番号の付いたもので、コメントも翻訳されている。解説の部では理解の前提となる知識やソースコード全体の構成を説明したうえで、OSを構成する個々のファイルや関数ごとにポイントとなる動作を解説している。解説にはすべてソースコードにおける行番号が付いていて、該当個所をすぐに参照できるようになっている。
今日に至るまで多くの人に愛され使われ続けているUNIXのエッセンスがここに凝縮されている。OSの動作や仕組みを勉強したい人はもちろん、UNIXの歴史的な側面に関心のある人も興味深く読むことができる。