内容や体裁において、他の解説書とは一線を画するプログラミング言語awkに関する解説書。
発売当初(1993年発行)多数出版された256倍シリーズの中の一冊。通常の技術書によくみられる平板な文章ではなく、読み物としての側面を強く意識した256倍シリーズ独特の軽妙な文体で綴られている。
前半はビギナー向けにawkの使い方や言語仕様について一通りの解説を行っている。真骨頂といえるのは後半に収録されているさまざまなawkプログラミングTIPSや、一行野郎ならぬ百行野郎とでも呼ぶべきサンプルプログラム集にある。表面的な言語仕様を紹介するだけでなく、マニュアルにも載っていないようなawkのクセまでも追いかけたその内容は、256倍シリーズの名にふさわしい。
巻末にはawkの文法や組み込み関数などもまとめられてる。書籍のサイズがコンパクト(B6版)なことから、ちょっとした携帯用のリファレンス本や外出時の読み物としても使える。awkをもっと深く知りたい、awkフリークを目指す人にぜひお薦めしたい一冊。